神経を取った後の痛み、なぜ起こる?

歯の神経は痛みを感じる場所なので、歯の神経を取ると痛みがなくなると考えるのが普通ですが、神経のない歯が痛む、ということは実は珍しくありません。

今回は、なぜ神経を取った歯で痛みを感じることがあるのか、その原因についてご紹介します。

目次

神経を取った歯が痛みを感じてしまう原因

神経を取った歯でも、次のようなことが原因で痛みを出すことがあります。

神経を取った直後

神経を取る治療をした後は、神経の切断面の傷口が数日痛むということがよくあります。

通常は、神経を取った後に数日間噛み合わせると痛むという症状が起こりますが、この場合の痛みは一時的なものでだんだんと落ち着いてきます。

根尖病巣ができた時

神経の治療をする場合、神経を取り除いた後は、内部に細菌の繁殖が起こらないようにしっかりと消毒をして緊密に詰め物をしますが、それでもその後に細菌が繁殖してしまい、歯根の先端部に病巣を作ってしまうことがあります。

その状態になっても慢性的な経過をたどれば無症状のこともありますが、何らかのきっかけで急性化すると、強い痛みを出すことがあります。

薬剤を詰める際の刺激によるもの

根の治療をした後、内部を消毒してきれいになったら、固形の薬剤を歯根の先端まで隙間のないように緊密に充填します。

その際に、歯根の先端部分が薬剤の圧力や細かい気泡によって刺激され、痛みを感じることがありますが、通常は自然と落ち着きます。

取りきれていない神経がある

歯根の内部の根管は単純な形ではなく、弯曲していたり、複雑に枝分かれしていたり、網目状になっていたり、ということがよくあります。

そうすると、神経を取る処置をしても完全に取り切るということが難しく、一部が残ってしまい、そこの部分が温度の刺激に対して反応し、痛みを感じてしまったり、炎症を起こして強い痛みを出したりすることがあります。

歯根が折れてしまっている

神経を取り除いた歯というのは、他の歯と同様、見た目的にはしっかりしているように見えますが、実は枯れ木のように衝撃に脆い状態となっています。そのため、強い力がかかってしまうと、歯に亀裂が入ったり、割れたりすることがあります。そのようなことが起こると噛むと痛い、重苦しいというような症状が起こります。

神経を取ると全く痛みを感じなくなる、と思われていることが多いですが、上のようなことが原因で痛みを感じることはよくあります。痛みの原因によっては感染症が進行してしまうリスクがあり、早急な対処が必要になる場合もあるため、異常がある場合には早めに歯科を受診しましょう。

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