味蕾(みらい)ってなに?味覚を健康に保つためにできること

桶川駅徒歩1分の歯医者、手代木歯科医院です。

食べ物のおいしさを感じるのは、舌にある味蕾という小さな器官の働きによるものです。

しかし、加齢や生活習慣によって、この味蕾の機能が低下すると、味が感じにくくなったり、食事を楽しめなくなったりします。 今回は、味蕾の仕組みや味覚が鈍る原因、健康に保つためのケア方法について解説します。

目次

味蕾とはどんな器官?

味がわからなくて頭にクエスチョンマークが出ている女性のイラスト

味蕾は、舌の表面にある味を感じ取るセンサーです。

舌には舌乳頭と呼ばれる小さな突起が無数に並び、その中に味蕾が存在します。

一つの味蕾には40個〜100個ほどの味細胞が集まっており、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味といった基本の味を感知しています。

これらの細胞が味物質をキャッチすると、神経を通して脳に信号が送られ、「おいしい」「しょっぱい」などの感覚として認識されます。

味蕾は一度できたら終わりではなく、常に新陳代謝を繰り返しています。

約10日〜2週間で新しい味細胞に入れ替わり、絶えず味覚の感度を保っています。

ただし、ストレスや加齢、栄養不足などでこのサイクルが乱れると、味覚が鈍くなったり、特定の味だけを感じにくくなったりすることがあります。

味覚が鈍る原因とは?

頬に手を当てて箸を止めている高齢女性

加齢による味蕾の減少

年齢を重ねると、味蕾の数自体が減り、味を感じる細胞の働きも低下します。

また、唾液の分泌量が減ると味物質が舌全体に行き渡りにくくなり、味がぼやけて感じられます。

高齢になると味がしないと訴える方が増えるのは、このためです。

口腔内の乾燥や舌苔

舌の表面に白い汚れ(舌苔)がたまると、味蕾の上に膜を作り、味を感じにくくなります。

特にドライマウスの方は唾液が少ないため、汚れが蓄積しやすく注意が必要です。

亜鉛不足

味蕾の再生には亜鉛が欠かせません。

偏食や無理なダイエット、長期の薬の服用により亜鉛が不足すると、味覚障害を起こしやすくなります。

亜鉛不足は自覚しづらいですが、「味が薄い」「金属のような味がする」と感じたら注意が必要です。

喫煙やアルコール

たばこの煙に含まれるニコチンやタール、アルコールの刺激成分は、味蕾の細胞を傷つけて再生を妨げます。

喫煙者の多くが禁煙してから味が変わったと感じるのは、味蕾が回復しているサインです。

味覚を健康に保つためにできること

笑顔で歯を磨く女性

お口の清潔を保つ

味蕾の働きを守るには、まずお口の清掃が基本です。

歯磨きだけでなく、舌ブラシで舌苔を取り除きましょう。

強くこすると味蕾を傷つける恐れがあるため、軽い力で表面をなでるように行いましょう。

唾液の分泌を促す

唾液は味を伝える重要な役割を持ちます。

食事の際によく噛むこと、酸味のある食べ物を取り入れること、キシリトールガムを噛むことなどで自然に分泌が促されます。

口の乾きが気になる時は、こまめな水分補給や、舌を動かす体操も効果的です。

栄養バランスを整える

味蕾の新陳代謝を支えるためには、亜鉛、鉄、ビタミンA・B群などの栄養素をしっかり摂ることが大切です。

亜鉛を多く含む食品には牡蠣、牛肉、レバー、卵黄、ナッツ類などがあります。

バランスの良い食事を意識することが、味覚の健康維持にもつながります。

禁煙、節酒を心がける

たばこや過度な飲酒は味覚の大敵です。

禁煙後に比較的すぐ食べ物の味がはっきりわかるようになったと感じる方は多く、味覚の回復は早い人では数週間で実感できます。

味をしっかり感じることは、食事の満足度を高め、結果的に健康的な食生活の維持にもつながります。

まとめ

笑顔でお茶碗を持つ高齢夫婦

味を感じる味蕾は、食事を楽しむだけでなく、健康を維持するための大切な器官です。

味覚が鈍ると食欲が低下し、栄養の偏りや生活の質の低下にもつながります。

毎日の口腔ケアと栄養管理、そして定期的な歯科検診で、味蕾を健やかに保ちましょう。

「最近、味が薄く感じる」「好きな料理の味が変わった気がする」と思ったら、早めに歯科医院へご相談ください。

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